【講師コラム】子どものプログラミングは3年くらい続けると力がつく?!

〜塾が忙しくなる前の 低学年から プログラミングを始めるのが オススメなワケ〜

今回は、子どものプログラミング学習ってどうなの?、いつ何を始めたらよいの?という素朴な疑問にお答えしたいと思います。
保護者の方やプログラミング教室を開講したい先生向けの内容です。

プログラミングを習って小学校の教科テストの点数がすぐに急上昇なんてこと、ありませんよね。
「子どものプログラミングってやる意味があるの?」と疑問に思われてしまうことは残念だなと感じています。
もちろん親の視点での、モヤモヤも結果を求める気持ちも非常によく理解できます!
例えば、すぐにテストの点数がぐんぐん上がって、コンテストでもばんばん入賞するとか、わかりやすい結果を「早く早く」と求めてしまうものですよね。

ではいったい 小学生のプログラミングってどれくらい学ぶのか、いつ始めるのか、どんな効果があるのか、いつも教室にいる講師の手応えを正直にお伝えします。

集中して取り組んでいる直営校の子どもたちの学習風景

条件を一(いち)から考えるのはとても難しい

大人でも何かを一から作れるようになるのってなかなか難しいことではないでしょうか?初めてトライすることは一朝一夕ではなかなか身につきません。
例えば、条件によって処理を分岐させる「もし◯なら〜 でなければ」/「if〜else」 お馴染みの条件分岐。
テスト問題にあるような穴埋めならできても、条件を一から組み立てられる子どもは本当に少ないのです。何事もそうですが一足飛びの成長はありません。
長年、子どもの学習する様子を記録分析してきて、自分の頭で考える訓練、反復が大切だと痛感してます。

例えば、こんなルールでカレーを作るとします。その日によって買うお肉は変わりますが、買ったお肉に合わせたルーの買い方の条件を作る練習です。

  • 「鶏肉」を買ったら「甘口ルー」を使います。
  • 「牛肉」を買ったら「辛口ルー」を使います。
  • 「豚肉」を買ったら「甘口ルー」を使います。

簡単な例ですが、子どもにとっては条件を考えだすのってなかなかハードルが高いのです。すぐにできる子は半数もいません。

そこでまずは情報をこんなふうに整理する練習をします。

条件を整理するステップの例

次に「もし◯肉を買ったら□ルーを買う、そうでなかったら△ルーを買う」と条件を組み立てていきます。

プログラムの例

情報を集めて整理して効率よく組み立てる

簡単そうに見えて実は難しくて、大人向けの教室でも同様に出題していますが考えすぎてしまう方も実は多いのですよ。

手も足も出ない難しさだと、子どものやる気がしぼんでしまいます。
だから焦らずスモールステップで自信(自分ならできるぞ!と立ち向かえる気持ち)と手応えを感じてもらいながら時間をかけて練習するのが大切なのです。

自分で考える訓練の重要性

テストの点数にはすぐに反映されなくても、社会で生きる力を身につけてほしい

何度も言いますがカレールーを買うための効率の良い条件を作れるようになっても明日のテストの点数がメキメキ上がるというわけではありません。
でもこれって社会に出て仕事をする時や、進学してプロジェクト型の課題を進める時に実はとても役立つ力、というよりなくてはならない力なのです。
現代は先がなかなか見通せませんし、課題も複雑で前例のないことがたくさんあります。
単純な穴埋めのような知識ではなくて課題を発見して、情報を集めて整理し、解決策を考える力が非常に重要なことは言うまでもありません。このような力を社会は求めているのです。取り巻く環境がどんなふうに変わっても、子どもたちには生き生きと楽しく自分の道を進んでほしいものですよね。

筋道を立てて考える〜作文や文章構成への好影響

もう1つプログラミングでは処理の順番や流れを考える場面がたくさんあります。筋道を立てて考える、表す練習です。これは作文力、構成力に直結します。
AI(人工知能)の利用が当たり前の現代、書くことは減っているかもしれません。しかし、その人にしか書けない表現、書く力、人間でなければ理解できない読み解く力の重要性はますます高まります

3年くらい続けると確実に力がつ

だいたい3年くらい取り組んだお子さんはと様々な力がついてきたなと実感します。講師陣で話をしていてもその辺りは共通認識です。もちろん、学習頻度やのめり込み方によっても差がありますからあくまでも一般的に、平均的に、ということですが。
3年も続けていただくには学びの楽しさやお子さまの手応えも非常に大切です。教材は、できるだけ楽しく、子どもたちが興味を持てるテーマで、その上で学びの効果を最大限に発揮できるよう工夫しています。難しすぎるのも尺が長すぎるのもイライラの元、簡単すぎるのも飽きてしまうので逆効果ですからテストを重ねて改良しています。

ユーバーのカリキュラム

講師はお子さまのご様子を見ながらもっとやれそうなら追加の課題を、困難そうならヒントを出します。面白くて、「自分ならやれるぞ!」と思える心地よい難易度を目指しています。

学習塾とのはざまで〜創造で気分転換を図る子も

塾が忙しくなる前の低学年から始めるのがオススメなワケ

少し気になるのは高学年になってくると学習塾やスポーツなどでかなり忙しくなるお子さんが多いことです。あまりに忙しいとパンクしてしまうので、その時々で優先順位をつけて一旦、プログラミングをお休みすることも大切だと思っています。「やる気」や「パワー」は限りがあるので無理は禁物です!

中には、月に1時間だけプログラミングでクリエイティブの世界にどっぷりはまってモノ創りで気分転換などというお子さんもいらっしゃいます。そんなふうに気分転換ができるのなら大歓迎です。学習やスポーツとプログラミングとの好循環が生まれると思います。

そういった意味では低学年のうちに無理なくゆったりとスタートして、ある程度プログラミング的な力を身につける、創造の楽しさを味わえるまでに成長するというのもオススメなのです。

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